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ポアンカレ予想―世紀の謎を掛けた数学者、解き明かした数学者 ジョージ G.スピーロ(著) 1995円


ポアンカレ予想を解くという営みが実感できる良書

 NHKのペレルマンの番組を見ていたせいか、文章が読みやすかったせいか、分からないタームも気にせず一気に読んてしまいました。ポアンカレ予想と、それを生んだトポロジーという数学の分野が発展していく様子が、素人にもある程度イメージできるくらいには簡単な説明で、しかしくわしく書かれているのがうれしい。ポアンカレ予想がどういうものかの直感的に分かりやすい説明はもちろん、ポアンカレが「ポアンカレ予想」を書き記すに至った、キーになるいくつかの論文を追うようにして解説してあるところもあって、数学者の発想とその広げ方、みたいなものが垣間見れたような気がします。あいだを縫って入ってくる、ポアンカレ予想に取り組んだたくさんの位相幾何学者たちの業績と生涯を追った解説も、緩急がありつつ面白い。
 後半、微分幾何学という(古くて)新しい方向から突破口が開かれてペレルマンの解説にいたるところも、ところどころ普通の文章では厳しいところもありますが、ペレルマンの駆使した「物理学的な」テクニックなどが、比喩を駆使して詳しく書かれていて、興味深いです。ペレルマンの論文の審査が終わる直前に起こった、中国人チームからの先取権にかんする「物言い」騒動とその決着についても書かれていますが、ある意味意外な決着で驚きました。
 既刊の『ポアンカレ予想を解いた数学者』とは、同じ題材を扱っていながら、ずいぶん印象が違うのが不思議です。私はこっちのほうが楽しく読めましたが、両方読んでみるのがいちばん面白いかも。

幾何学者界に向けた本で、一般向けではない

ポアンカレ予想そのものの解説になっておらず、微分幾何学者達の研究成果や交流の内幕っぽい話が中心であり、数学者特に幾何学者にとっては面白い話かもしれませんが、一般人にとっては砂を噛むような淡白な話ばかりで面白味がありません。翻訳も、ただ書いてあることを必死に日本語に訳した感じで、数学的に意味の通じないところが多くありました。

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