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統計数字を疑う なぜ実感とズレるのか? 門倉 貴史(著) 777円


統計数字のマジックを解明

様々な、私たちが当然と思っている統計の不安定要因を解説している書である。
GDPから始まって、多くの統計資料が書き手の恣意によって偏向していく様を具体的に記述してくれているので、統計数字を鵜呑みにしないようにとの著者の意図が良く伝わった。
それにしても著者、門倉さんは著書出版のペースが速いですね!前著書「夜のオンナはいくら稼ぐか?」から3ヶ月しかたっていないのに、この書を出版するなんて、著者の将来性を楽しみにしている。感謝

この作者自体の統計の扱い方に疑問が?

まえがきにおいて、交通事故の死者数に関する統計の例を挙げて統計のウソの実例のように紹介していますが、この扱い自体に、作者による統計の恣意的な解釈の例がみられます。交通事故の死者数について、厚生労働省の数字と警察庁の数字はその定義が違うので、乖離があるのは事実です。しかしながら、厚生労働統計の交通事故死亡者数を調べてみると、警察庁の統計と同様に減少しています。数値が減少している統計に対して、同じ事象を扱っていながらも定義が異なっているために、常に多い数値を出す統計を取り上げて乖離があること(それは、定義が異なるので当然の乖離なのですが)をもって、「減少しているのは、統計のみせかけの現象だ」などと鬼の首をとったかのように述べていますが、この違いは少し調べれば分かるように統計の解釈の違いだけですので、作者が述べている「見せかけの現象」というのは、あきらかに間違いです。これだけでそれ以上の部分を読む気をなくします。まあ、「統計数字を疑う」というタイトル自体が、統計数字を疑うことがない人に対する警鐘だと思えば、その価値もあるのですかね。

著者の実体験に裏打ちされた経済統計解説

よくある「統計の常識を疑う」系の書籍だが、実際に経済予測等に携わった著者の経験が多分に反映されており、とりわけ第3章でのシンクタンクが試算する経済効果の胡散臭さや、第4章での統計の癖・バイアスに関する解説は白眉。一方で第2章の通説に関するコメントは(人によっては)首を傾げる箇所もあるが、こうした著者の主観が良くも悪くも本書の特徴となっている。仕事で経済統計を扱う向きならば、ほくそ笑みながら読み流せること請け合い。なお第5章は著者がライフワークにしている「地下経済」に関する話であり、若干蛇足な感はある。

ところで本書のレビューで「目が覚めました」「やはりGDPは信用できないんだ」といった類のコメントが散見されるが、こうした姿勢もまた所詮は"情報の鵜呑み"ではないか。本書の内容に対しても疑ってかかるくらいのリテラシーの高さが求められよう。

統計リテラシー向上にお薦め

平均寿命、経済効果、景気動向等、普段は算出結果のみを意識しがちな身近なデータについて、導出過程から考える事により理解が深まります。

実際に統計数字を駆使するエコノミストだけあって記述が具体的で分かり易いです。
景気動向の指標には実感しづらい部分がありましたが地下経済活動にも触れており最後まで一気に読めました。

数字をとらえるセンスが身に付く!

著者のこれまでの経験をもとに、統計数字をどのように解釈すればいいかを指南してくれる。
難しいところを読み飛ばして、わかるところだけを読んだが、結構面白かった。
「なるほど」と思うようなところがたくさんあったよ。

詳細はこちら

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