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不完全性定理―数学的体系のあゆみ (ちくま学芸文庫) 野崎 昭弘(著) 1155円

カントール対角線論法との関係性
不完全性定理の肝であるゲーデル数が、カントール対角線論法の応用であるということが明示されているという一点において、近年最良のゲーデル入門書だ。
ヴィトゲンシュタインのいう「見渡す」効果を最大限利用したということができる。
ゲーデル入門にはまず本書のカントール関連の記述から、と推薦しておきたい。
手軽に読める本
古代史の中で数学がはじまってから、不完全性定理が見出だされる、現代までの数学の流れがわかりやすく書かれています。
数学の込み入った予備知識がなくとも、数学自体を議論するために超数学が生まれ、その中で不完全性定理が現れた雰囲気はよく伝わってきました。証明に関しては、ある程度簡略化されてありますが、なんとなく納得できる論理の展開がなされています。
肝心の不完全性定理は最終章のみで扱われているので、不完全性定理だけを特に知りたいという方には物足りないかもしれません。
数学の意外なおもしろさ満載
まず、ゲーデルの不完全性定理の入門書として、質、コストパフォーマンス(安い!)ともにベストだと思います。わかりやすい上に、概念だけでなく、自分でも証明を追えるようになっています。
ゲーデルに限らず、集合論の大切さなど、数学の概念的な面白さや、数学者の意外な生涯(カントルの悲劇というか)などについての記述も充実していて、数学のおはなしとしても楽しめます。
ゲーデルの不完全性定理、チューリングマシーンをめぐるさまざまな
解釈についても触れてあり、自分で考えるきっかけにもなります。
難しいところは読み飛ばしました。
「ゲーデル、エッシャー、バッハ」の訳者の方がゲーデルの超入門書を書いた、と裏表紙にあったので、今度こそと思って読んでみた。
「はじめに」にあるように1から3章は数学の歴史である。ユークリッドについて本当に平易に書いてあり飛ばして読める。超数学入門の後半の3章は著者のお勧めに従いかなり読み飛ばした。「6章 ゲーデル登場」で、よし真面目に読むぞと思った。
かなり平易に書いてあると思うが、とにかく証明部分が難しかった。わかったような気にはなる。が、よくよく考えると著者の噛み砕いた日本語の説明部分にうなずいている。数学を日常にしている人にはもっと判りやすいのかもしれない。
ゲーデルの不完全性定理は、普通の言葉に訳してよく引用される。「人間の知性の限界が示された」とか「完全ではない」とか文章では簡単に書かれるが、やはり数学的に数式とか論理式で証明を導けないと判ったとはいえないのではと思っていた。その意味で読んだ後も読む前と変わらず解っていないが、途中色々数学の興味深い話があり全体として面白かった。(眠いところも多かった。)ゲーデルの不完全性定理は、「新しい理論の始まり」になったという。漠然と、数学って破綻しているんじゃとずっと心配していたので、ここを読んだだけでも良かった。
初心者向きではない
肝心の不完全性定理について、ページ数が少なく、説明もあまりていねいとはいえず、なぜか、ものすごく細かい字で対角線論法の説明がされている。初心者というより、一般向けとしても、不親切な感じを受けた。