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遥かなるケンブリッジ―一数学者のイギリス (新潮文庫) 藤原 正彦(著) 460円


イギリスから学ぶこと。

 相変わらず面白い文章を書くので敬服しますね。「若き数学者のアメリカ」のとおり20代後半からアメリカ被れになった著者が、40歳を越えてからイギリスで1年間暮らして判った両国の違い。宗教、マナー、騎士道、人種差別、男女関係など等色々な観点から違いを感じていく。読んでいると結構イギリスに行って見たいような気がしてくるものである。食事の拙さが判っていてもね。経済の話題はアメリカだし、食物はフランスだし・・・。今までのアメリカ万歳からイギリスを通して日本の良さを再認識していったという流れは興味深いですね。ホントに日本は単純なアメリカ指向が是正されない国なのかもしれません。むしろアメリカよりも伝統を壊していくのが平気なのでは?と感じる昨今ですが・・・・。「国家の品格」にあるように武士道や日本語教育は大事ですね。

才能があったり,コネがあったりすると,いいなぁ

数学者としては文章は読ませる。文章は,種類こそ違え,森毅と同じくらい面白い。「遥かなるケンブリッジ」という題名も素人にはイメージ喚起的だ。最初の2章はイギリスの門前で,第三章から第九章まででイギリスに入場しており,最終3章で,溶け込んだイギリスの感想を述べるという構成。

イギリスの大学の様子や数学者たちの人間的な側面などがよくわかるが,私などは業界の人間ではないので,世界規模で有名な人物の人となりもただの登場人物に過ぎない。藤原のイギリス(人)評価は,イギリス人数学者には当てはまるかもしれないが,下層のイギリス人にはまずは当てはまらないだろう。国民性評価なんていい加減なもんだ。言いたい奴らが言いたいように言って,納得したがってる奴が納得しているという構図で,これといって根拠がない。統計的なウラなんかまずはない。そもそも,たとえば“国を理解する”という状態を成り立たせる条件はいったいなんだろうか? もしその国に住むことが条件であったりすれば,殆どの人に国は理解できない。とすれば,評価はまず不能だ。頭が悪くとも,こっちは向こうに住んできたんだ,だから僕のほうが正しい,なんて凄まれれば,周囲がアホなら勝てる見込みはまずない。もっとも,勝つことには意味はないのだが。

本書は1988年7月刊行の(ってことは帰国と殆ど同時)文庫本化。解説は南木圭士(作家・内科医)(1057字)

秀逸なエッセイ

藤原氏のエッセイは「若き数学者のアメリカ」に続いて2作目です。
アメリカ留学時は独身だった著者も、妻を迎え、3人の子供の父親となっており、その分視野がぐんと広がっています。誰が読んでも価値あるエッセイだと思います。

自分の大学の同僚、隣人、家族を通しての友人のイギリス人たちとのユーモアあふれる会話。
天才的数学者リチャードの「イギリスで最も大切なのはユーモアだ」という言葉通り、彼らが藤原氏とのユーモアあふれる会話を楽しんでいた様子が目に浮かぶようです。
その会話から読み取れるイギリスとイギリス人の様子。著者の押し付けがましいイギリス観などはありませんが、数々の会話から、イギリスというものを、読み手が自然と考えさせられるような、すばらしいエッセイです。

特に大学の授業、教授達、学生については詳しく書かれており、留学される方には参考になるのではないでしょうか。

文章もいきいきとしていて、とても読みやすいです。

英国の大学内情

英国での1年間の研究留学する機会を得た日本人研究者の滞在記。日本の大学では雑務が多いため、集中して研究できると意気揚々としてやってきて、ケンブリッジやオックスフォードでの講演でのその分野の権威の前で恐れつつも立ち向かう様子、そして、英国の研究者との交流。


アメリカの大学滞在記"若き数学者のアメリカ"と読み比べるとなお興味深いです。イギリスとアメリカの違い、数学者として家長としてそれなりの自信を持った著者の行動。また、国家の品格につながる愛国心がところどころに書かれています。

なかなかイギリスの大学について書かれている著書はないので英国留学を考えている人、英国か米国か留学先を迷っている人は読んでみると良いかもしれません。

イギリスとイギリス人を知ることで日本と日本人を知る。

 私も他のレビュアーの方と同じく、「若き数学者のアメリカ」
が面白かったので、こちらも読み始めた口です。

 ケンブリッジでの生活、キャンパスでの教授の人間描写、次男
のいじめから人種差別を考え、その対応etc.全編がエッセイなの
でさくっと読めます。

 第七章のレイシズムからが特に面白かったです。イギリスの階
級社会の問題点を読む新聞から考察しているところなどは、なる
ほどと思いました。

 第12章のイギリスとイギリス人も興味深いです。ユーモアを
大切にし努力をひけらかすことを嫌う国民性。私はイギリス人の
友人はいませんが、なんとなく頭の中にイメージがわきあがりま
した。

 こんなジョークが書いてありました。

 無人島に男2人と女1人がたどり着いた。

 もし男がイタリア人だった場合、殺し合いが始まる。

 フランス人だった場合、一人は夫婦、一人は愛人として話がま
とまる。

 イギリス人だった場合、口をきかないので何もおこらない。

 日本人だった場合、東京本社にFAXで指示を仰ぐ。

 世界各国で文化や国民性が違いますが、だからこそ面白いとも
思います。旅行に行くのも新しい友人との出会いも、そのような
「違い」を認めるところにあると思います。自分との異質性を認
め、自己の見識を広める。読後にこんなことを感じました。

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