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その数学が戦略を決める イアン・エアーズ(著) 1800円


題名がもったいない!!

内容と題名がいまいちしっくり来ない。
レビューを読んで面白そうなので購入しましたが、予想以上に
面白かった。

それ故に返す返すも題名に魅力が無くて損していると思う。
まあ、逆に題名で煽っておいて内容の伴わない書籍もあるので
それよりかはましかなと思います。

統計学などを用いながら身近なことを掘り下げていく感じですので
非常にわかりやすく数字を感じることが出来ます。

私のように数字に弱い人間でも充分に楽しめました。
星4つです

コンピュータの世界

データマイニングの本

コンピュータが人間(それもその分野の専門家)を次々と駆逐していくという話。
一見何の関連も無さそうなデータの間から思いがけない相関が得られたりするという
のは純粋に面白いし、本書に書かれているような現実世界でのデータマイニングの
利用例も近未来的で新鮮だった。

ネットストア等で、この人はこんな商品も買いそうだ、ということで別の商品を薦めてみたり・・・
といったものは今なら良くありそうな例だ。しかし、離婚する確率、事故を起こす確率、
映画や本がヒットする確率といったものまで取り上げているのが本書で、一読の価値があると思う。

「絶対計算」はWEB2.0のブームの次の社会潮流を先読みするか?

 本書は、ふつうの人が近寄らない数学の一分野(数字の世界、データ分析の世界)が、実はワクワクするおもしろさがあるんですよ。役に立つんですよ、と一般人に教えてくれる、一種の啓蒙書です。

 「絶対計算」結果のすばらしさは、他の方のレビューにも書かれているので、私は本書が「光と影」の「影」の部分にもきちんと言及していることをお伝えします。

 「影」というのは、政府や企業に蓄積されされた大量データが結びついて個人のプライバシーが丸裸になる可能性がある、ということです。
 アメリカの州政府は、運転免許データベースの内容(名前、人種、社会保障番号)を有料で提供しているそうです。役所が個人情報を売っているというのは驚きですが、この社会保障番号があれば、他のデータとの突き合わせ(名寄せ)が簡単にできるようになります。
 実際に個人の情報を販売しているチョイスポイントという会社は年商が数十億ドルに達していますし、アクシオムというもっと大きい営利目的データベースは、アメリカのほぼ全世帯の消費者情報を蓄積しているそうです。

 もう少し顔認識ソフトの精度が向上すれば、お店に入ってきた客の名前や購買履歴や、次に何を買いそうかという予測までがすぐに分かってしまうシステムをつくることも可能です。
 映画『マイノリティ・リポート』でトム・クルーズがショッピングセンターを歩くときに表示された電子広告も、技術的に夢ではなくなりました。
 国民総背番号制度に強い反対があり、個人情報保護の意識が高まる日本から見れば、まだ対岸の火事かもしれませんが、用心するに越したことはありません。

 WEB2.0のブームも過ぎ去ったいま、絶対計算のすばらしさ、恐ろしさを本書で知ることは、次の社会潮流を先読みすることになるでしょう。

新しい皮袋に詰められた、統計学の啓蒙書!

今流行のデータ・マイニングの話から始まって、サンプル調査の話に進みます。何となく話が時代的に逆行しているような印象がしますが、何となく集積された大量のデータを回帰分析するだけで、何でも分かってしまうと言うのは、今流行のデータ・マイニング神話ですね。
回帰分析によるデータ・マイニングのビジネスへの応用とその効果については、沢山の事例が挙げられていて、目を奪われがちですが、著者は同時にその限界についても語っています。ここから次にサンプル調査の話が始まって、最後に正規分布における標準偏差とベイズ理論の簡単な説明と統計的知識の必要性が述べられています。
本書に出てくる「絶対計算」なんて言う万能の統計的手法がある訳ではありません。ちょっとミスリーディングな言葉ですね。膨大なデータがハンドリング可能になって、統計学のベテラン選手、回帰分析とベイズ理論に出番が回ってきたと言う感じですかね。
邦題の「その数学が戦略を決める」というのもミスリーディングですね。原題を思い切り意訳すると、「データ分析屋、数字で考えることが出来る人が賢い!」みたいなものです。
これを読んで統計学の勉強をやり直そうと思いました。面白い本です。
大型コンピュータがビジネスで使用されだした30〜40年前にもこんな統計学の啓蒙書がありました。当時はギャラップの世論調査が注目されていました。時代は巡っているような気がします。

「絶対計算の台頭」を期待したい

まず題名がイマイチ。

文中繰り返し出てくる「絶対計算の台頭」といった表現の方がしっくり来るのではないか?
(もしくは、このような「感覚」の議論ではなく、英文題と同様に「計算」により選ぶべきだったのではないか?)

題名はさておき、本書は、

回帰分析(及びニューラルネット)といった、技術的には少々“古い”計算技術が、昨今ここへ来て、実世界の現実問題に十分対処できるだけのツールとして「使えるものになってきた」ということを、さまざまな実例を紹介していく。

計算式による評価と、専門家による評価を、適宜対決させながら、どちらの評価がより実証性が高いかを、「証明」してみせる。

(本書における数々のエピソードの中では、いずれも「計算」が勝っていく。)

人々の「感情的な」抵抗も多数受けながらも、「計算」結果は淡々と、より「正しい」結果を出していく。今後はさらにこうした絶対計算が、社会の意思決定において重要な位置を占めるであろうことを、本書は予言してみせる。

さらに、絶対計算は、人間による評価も要素として取り入れさえする。結果、絶対計算の活用は、人間による評価と敵対するものではなく、人間の感覚のみによる意思決定の欠点を「補う」ものでもあることを示す。

結論として本書において筆者は、単に絶対計算を礼賛しているのではなく、
人間の感覚と絶対計算は互いを補完しながら、よりよい意思決定がなされることを社会に期待していると思われる。

そして、よりよい意思決定の結果、我々が今後「より安全で確実な」医療診断を受けられるようになるであろう、というように等身大の問題に希望を持つことすら可能になる。

なお、本書では、これら計算技術が現実問題への解決策として適用例が増えている要因を、計算技術の革新や、WWWに代表されるネット技術の浸透によるものではなく、HDDの大容量化などを中心としたデータ蓄積量の増加と低価格化を指摘している点も、興味深い。


訳についていえば、全く申し分無い。本書が山形浩生訳として読めることは「ラッキー」だったといえる。この手の題目の本を、とくに違和感や突っかかりを覚えずに素直に読める、ということ自体が、訳の完成度の高さを示している。

また、山形自身は(氏のウェブ頁上で)本書を「すこし突っ込みが足りない」と評しているが、本書の「啓蒙書」としての位置づけから、もっともなことであろう。

実際、数式に抵抗が無い人間にとって見れば、「数式の全く無い」本書は、数式により示すことの出来る細かいニュアンスを表現できておらず、そういう意味で非常に物足り無いが、

本書の読者として想定される大多数にとっては、数式がなく、多数の興味深いエピソードにより構成されていることで、非常に面白い「教養書」として楽しめる一冊になっていると思う。


最後に、本書を「大学の教養課程」などで、「統計(回帰分析)」学んだにもかかわらず(あるいは学んだがゆえに)、

「統計とは無味乾燥なものだ」という印象をもっている全ての人に勧めたい。
きっと「計算を使って」世の中を見つめる目が、今までとすこし違ったものになっているであろうから。

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