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数学の参考書をお探しですか? 大学受験のための良書を紹介します。
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高校これでわかる数学I+A―基礎からのシグマベスト (シグマベスト) 1470円


高校数学の導入用参考書

標準的な検定教科書で扱われているような、「基本的な学習事項」を最初から一通り、やり直しをしたい人向けの参考書。
本書の大きな特徴は、基本事項の導入が教科書風に「具体例」→「一般論」という展開で解説されており、順を追って理解できるような構成になっていることが挙げられます。
類書では普通、基本事項の導入は、使用対象者のレベルを考慮して、「教科書で学んだ基本事項を想起させる」ような「まとめ」になっていることが多いですが、本書は使用対象者を「検定教科書を使った授業が十分に理解できていない」or「ほぼ完全に授業で学んだことを忘れてしまった人」としているようで、あえてこのような教科書風の導入にしているのでしょう。

また、教師が授業で解説するような「重要ポイント」が板書風に解説がされていたり、参考図なども豊富なので、学校の授業で分かりにくい部分があったときにも非常に参考になると思います。

更に、例題の解答・解説も、式変形の過程が丁寧に示されているのに加え、間違えやすい部分についても「副文」により丁寧に示されているので、数学がかなり苦手な人、授業を聞き漏らしてしまった人などには最適だと思います。

ただし、あくまで収録内容は標準レベルの検定教科書の例題レベルを中心にしており、いわば基本に徹しています。
そのせいか、「絶対値つきの不等式」など検定教科書で扱われている内容のうち、生徒によって理解に差が出るであろう内容はほとんど収録されていません。
その意味で類書の中では最も網羅性は低いといえます。

また、導入部分の基本事項や例題の解説は非常に丁寧ですが、例題の反復問題(類題)や節末問題(定期テスト対策問題)の解答・解説は、本書を使うレベルの生徒にとってはおせじにも丁寧とはいえません。

高校数学導入本

この本は高校数学の導入に最適です。
"中学数学"がしっかりできている状況でやればかなりサクサク進みます。
それでも分からないところが出てくれば、マセマの初めから始めるを併用すれば大丈夫かと。
この本が完璧ならセンターレベルの問題でも割と高得点が出せるはずです。
この後、黄チャート・シグマトライ・理解しやすい等の本で演習すれば基礎レベルは完璧です。
独学の場合でも個人的には白チャートよりお勧めです。

数1Aの基礎学ぶ独学者にとっては最適の教科書!!

2007.7.22 更新
遥か彼方の昔に文系学部を卒業し、数1Aの基礎を本書にて独習した社会人です。

紙面の関係上、行間を読むには若干の読解力、計算力は必要ですが、
中学の教科書レベルの数学を大体理解していれば本書にて数1Aの教科書程度はほとんど独習可能です。
ちなみに私は『高校入試突破計算力トレーニング』他で中学数学まで戻りました。

この本の例題をほぼ理解できたらセンター試験レベルの問題演習のスタートラインに立てるのでは…

蛇足ですが、類題は例題が初見で完答できなかった場合のみ、理解度の確認用として利用した方が効率的だと思います。

また定期テスト対策問題の解説は初学者にとって手厚くはないので、より解説が詳しくわかり易い他書にて問題演習の補足をお薦めします。

参考までに、評価するステップアップ用の網羅系参考書・問題集を易から難の順に列挙すると、
シグマトライ(中級)< 本質の解法 (中級)< 本質の研究(中上級) < 赤チャート(中上級)

解法を重視したいチャート派の方には2007年改定版の方の白、黄、青も好感触です。

尚、本書が分かりづらい方は現在数1だけですが『語りかける高校数学 数1編』をお薦めします。

自分にとって解りやすいかどうか検討の上選択してほしい。

悟りました

僕は高校に行っていません。
国立志望で数学を独学でしなければなりませんでした。
これでわかる、白チャート、マセマのはじはじ、坂田、教科書ガイド等の基礎の参考書で有名なもの全部やりました、が、悟りました。僕には無理です。
高校で授業をまったく受けず、しかも独学で数学をやろうと思ってる人は覚悟して下さい。
個人的なオススメ順位は、白チャ+坂田>マセマ=教科書ガイド>これでわかる、です。これでわかるは途中の計算式が省かれてるので独学にはオススメできません。

教科書ガイドをさらにわかりやすくした感じの本。

まず、この本は「高校数学の知識が全くのゼロ知識の人向けには書かれていない」という事を強調しておく。本書に取り組む前には必ず中学数学の範囲を修了しておいた方が良い(例えば『未来を切り開く学力シリーズ』の中学数学編をこなすとか)。でないと、本書でも挫折する可能性がある。

もちろん、謳い文句である「これでわかる」のタイトルに偽りは無い。少なくとも『理解しやすい数学』や『チャート式』よりかは、遥かに導入も多いし解説もわかりやすい。しかし、あくまでそれは「元々下地のある理系の人」にとってであり、鉄板でゼロスタートの人間にはこれでも意外とキツい。 しかし、それを差し引いてもこの本は高校数学の入門書としてずば抜けて重宝するし、高校数学の入門書としては最上位の部類に入る。フルカラーでイラストも多いし、デザインも見やすいのは本当に有り難い。ただ、いかんせん類題や章末問題の解説がいささか中途半端な点(途中式も省略されている箇所が相当ある)が見受けられるし、類題や章末問題の中には悪問(初学者には解きづらい問題)も混じっている。また、残念ながら網羅性はお世辞にも高いとは言えない。厳密には、検定教科書にある項目が抜けている箇所もある。

とはいえ、例題の基本事項が理解出来てしまえば全く問題はない。『これでわかる』という参考書の最大の意義は「例題だけをこなし、例題を完璧に解ける力を作り、他の本にステップアップ出来る力を養う」という点にあるからだ。だから、類題や章末問題を解く必要は無い(余裕があれば類題ぐらいなら手を出してもいいかも)。演習量の不足は他の本で補えば良いし、何よりも大事なのは「例題を瞬殺できる力」を付ける事である。

しかし、数学アレルギーの人間にとっては「教科書の基本事項を理解する」という事がまず最初にぶち当たる最大の壁である。そして、この壁を越えられるようになるまでに莫大なストレスが溜まる。このストレスに耐えられる人間なら良いが、それが耐えられない人間(ちなみに私はこっち)は、周囲の数学の出来る人間に聞くなり、予備校の授業を受講した方が絶対に良い。でないと、数学という科目が余計に嫌いになる恐れがある。

残念ながら「この本で自学自習すれば誰でも高校数学がわかるようになる」という訳にはいかない。しかし、この本を単独で使うのでなく副読本(坂田アキラや高橋一雄の参考書など)を併用しながら進めていけば、この負担もかなり軽減される(実際にこの組み合わせは相性が良い)。そうすれば大丈夫。

詳細はこちら

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はじめての統計学 鳥居 泰彦(著) 2345円


数学が得意なら必要のない本

正規分布、一様分布、カイ二乗分布、など基礎的な部分をとりあえずおさえるのに便利。
これだけでも世の中にはびこるインチキなデータ主義には結構対抗できたりするものです。
ただ定理を定式化して証明せずに、感覚的な説明で済ましている事があるので
あくまでもしっかりとした教科書への下準備としてのための入門書だとおもったほうが無難。
数学的に証明されて苦もなく理解できる人にはよけいな回り道になると思う。
関数電卓での使い方までフォローしてるがExcelはオマケ程度。
そういう意味でも実用に耐える知識を得るにはもう数ステップ必要だというのが
実際にこの本で統計入門した人間としての印象です。
基礎の基礎から書かれてあり、基礎で終わっているので挫折する事はまずないかと思う。

まさに統計学入門

数学の前提知識を極力少なくして書かれた統計学の入門書。線形関数の表記y=ax+bや、総和記号のシグマから説明する徹底ぶりで、説明は極めて平易、具体例が多くて練習問題にもきちんと解答がついている。各種変数や用語の意味をできるだけ分かりやすく説明しようとしているのは好感。正規分布の標準化がどのように可能で、なぜそれに意味があるかという説明などは秀逸だと思う。しかし、「公式を覚えるな」と強く仰る著者も途中からは明らかに歯切れが悪い。なぜ分散の公式はnでなくn-1で割るのか、各種確率分布の平均、分散、標準偏差がどうしてそう定義されているのかなどは、結局のところ省略されており、腕力で計算するうちに分かるという説明で終わっている。結局のところ公式を覚えなさいということでは? 索引がないのは多いに不思議。

統計学、食わず嫌いさんにオススメ

大学の授業がさっぱりわからない。
研究室の研究発表でも何を言っているのかさっぱりわからない。
セミナーに出てもさっぱりわからない。
そんな状態が2年続いた私を救ってくれたのがこの本です。
この本をきっかけに統計学に興味を持ち始め、専門的な本が読めるようになりました。
どうもありがとう。卒業できそうです。

まさに統計学の入門書

大学の統計学の講義が分からない・自分には合わないから独学ではじめたいという人にピッタリです!

内容は読みやすく分かりやすいです。また、「統計学の考え方の基礎」ということから本書はスタートしますので、
理解した方がいい言葉やルールをしっかりと理解することができます。

もちろんこの本ではz値の計算などを省いてその代わりに「標準正規分布表」を使っているので、
本格的ではないとの評価もありますが、あくまでもこの本は入門書なのでそれは当たり前。
統計学の流れや楽しさを知ってもらえれば著者の目的は達成されるのではないでしょうか。
ちなみに正規分布の密度関数にも言及はしてあるので、別に密度関数を省略しているわけではありません。

この本で挫折するようですと、統計学に手をつけるのは止めておいたほうがいいかも...ってくらい易しいですよ。
そして物足りない方や統計学の楽しさを知った方は、巻末の参考文献で次のステップへどうぞ!

ほんとうにはじめてでも分かるし、しかしレベルはしっかり

 似たタイトルの本に、『はじめての統計』(有斐閣ブックス・得津一郎)
という本があります。私は、はじめ、そっちのほうを買いまして、
少し辛かったので、評判の高いこの本を買って、勉強しました。

 実に分かりやすい。私は法学部出身だし、大学で統計を学んだわけではなく、
統計を学ぼうと思ったのも、弁護士になって、なんだか統計を必要とする
事件に当たってしまって、「わけが分からないのではいかんな」と思って
のことでした。
 高校時代は数学は得意でしたし、統計をまるっきりやらなかったわけではないですが、
仕事で必要となるとやはり大学教養レベルの知識は必要だろうと考えたわけです。
 そして、この本でしっかりと勉強することができました。
 平均点以下の学生にも噛んで含めるように説明してくれるこの本は、統計の
考え方はもちろん、関数電卓で統計計算をすることまでちゃんと教えてくれます。
 その後で、さきほど述べた、『はじめての統計』(有斐閣ブックス・得津一郎)
のほうもしっかりとやってみましたが、今度はそれほど難しく感じることなく、
しかも特にレベルが高いとも感じなかった記憶があります
(どちらも『はじめての』本だから当たり前かもしれませんが)。

 これは個人差とか好みとかあるかもしれませんが、私としては、これ1冊を
勧めたいと思います。

詳細はこちら


いかにして問題をとくか G. ポリア(著) 1575円


汎用性の高い問題解決法

問題を解く方法論に関しては40ページ程度で、残り200ページ程度が発見額の小事典という構成。
この構成を見れば分かるように、この本で説明されている問題解決の方法論は実にシンプルな物である。

しかし、それは数学に限らず問題解決に当たって有効なアプローチであろう。
数学以外の問題に適用する場合にもそれぞれの問題に合う言葉に置き換えて考えれば見逃していたヒントを見つけられるかもしれない。高校生程度の知識があれば十分読めるだろうから、例えば、大学生なら卒論のテーマを決める前に一読しておくと参考になるだろう。

最後に1つ難点をあげると少々訳が硬いところがあるのが気になる。

「ひらめき」の種明かし

 数学が苦手な人間は、例えば「チャート式」の問題解答を読んでも、「なんでこういう式変形や手順を思いつくんだろう?」と腑に落ちないことがしばしばあるものです。しかし、この本を読んで「発想の手口」の代表例(数学の得意な人ならほとんど常識レベルのことでしょうが)を学んでから参考書の解答例を読むと、解答執筆者の思考過程が見透かせるようになります。高校生が読んでおくべき本の一つでしょう。

丸善はいい仕事をしています

そもそもは数学の本なのだが、プログラミングの本の参考文献として載
っていたのが読むきっかけ。アメリカで出版されているプログラミング
関連本では、必ずといっていいほどこの本が推奨されているといってよ
い。なんでもマイクロソフトでは新入社員はこの本を必ず読むことにな
っているらしい。
数学問題の解き方を書いた本というよりは、ヒューリスティックな方法
論に基づいた、よりひろく問題解決法について論じた本といってよい。
私にとっては、この本は受験生ではなくプログラマーに薦める。

テクニックに過ぎないのでは

数学の問題の解法について、テクニックや定石を列挙し説明している。
例えば「条件のすべてをつかったか」という項目がある。なるほど、通常の数学問題ならば、問題の与える条件を全て使うことが正解の道である。テクニックである。しかし、研究や実世界での問題では、条件を全て使うことを気にしても全く無意味である。

また、受験テクニックの本として考えるなら、本書は一般的な(したがって容易な)数学問題を挙げており、現実の過去問を載せている他の受験参考書の方が実用性があるだろう。

経験に裏打ちされた確かな内容

本書には問題を解く際に役立つ様々な見解が豊富に盛り込まれ
ている。業務の自動化の進展によって創造的な仕事を要求され
る機会が徐々に増しているのを感じている私はこの本を時々手
にとるのだが、その度に得るものがある。問題を解決する経験
を積むにつれて本書がこの種の本にありがちな空論ではなく、

経験に裏打ちされた確かなクオリティをもつ良書であることを
確認できるはずである。だが問題解決経験が乏しいと得るもの
は少ないだろうと思う。また問題解決経験が豊富な人も得るも
のは少ないだろう。だがその場合でも、はっきりと問題解決
プロセスを言語化していない人なら、きっと得るものがある。

詳細はこちら


数の悪魔―算数・数学が楽しくなる12夜 ロートラウト・ズザンネ ベルナー(著) 1680円


評判通りの面白い本


 子供向けの数学教室。会話文主体の絵本。評判通り面白い本だった。子供向けの名著は大人が読んでも面白い。こういう本こそ大人は読むべきだ。

 算数嫌いの小学生ロバートの夢に夜な夜な現れる数の悪魔。悪魔は次々と数の不思議をロバートに示す。1、0、素数、無理数、三角数、フィボナッチ数、パスカルの三角形、順列・組合せ、無限・収束、黄金比、オイラー標数、証明…。

 子供向けの本だから小難しい話は一切なし。数学的概念を理解させようとする本ではなく、数の世界の不思議さを感じさせ、数と遊ぶ楽しさを教えてくれる本。映像化したら本当に良い教材になるだろうと思う。パスカルの三角形がこんなに面白いとは知らなかった。

 著者はドイツの詩人で、数学者ではないそうだ。数学者でなくても、こんな風に数と遊ぶことができるのだ。

もっと早くに読みたかったなぁ

高校の図書館で暇つぶしに借りてきた本ですが、とても面白く感じました。
もっと早く、小〜中学生くらいのときに出会っていれば理系に進んでいたかもしれません。
本当に数学嫌いが治るかどうかは人それぞれだとは思うけれど、
足したり引いたり並べたり、数遊びの面白さをおしえてくれるのは本当です。
あまり本を読まない家族に勧めてみたら、むしろ私より熱心に読んでいたのが印象的でした。

手軽に、気楽に学べる

 学校で教えられる数学は内容は学年が上がるにつれてどんどん理論的になり、めんどくさくなってどうしても放り出したくなるものです。一度つまづけばテストも連続して嫌な点数になるし、計算を重ねる退屈さはどうしてもついて回ります。だから、数学は割と嫌われやすい学問です。
 しかし、この本は平易に小難しい数のテクニックや遊びを解説してくれます。そこで紹介される数は、学校の苦しい思い出とはかけ離れて、魅力に溢れ、項を捲るごとに何が次に出てくるのかわくわくさせてくれます。数の不可思議さや合理性に深く感動し、トリックに気づいてぽんと膝を打ちたくなる、そんな本です。
 登場人物もまた魅力的。年齢によくあった性格と考えをもつ主人公のロバートや、何かと居丈だかな態度を取る悪魔の掛け合いは、対談形式の解説書の域を超えていると言えるでしょう。しかも、これが大文豪の筆ときていますので文系人間にも嬉しい一冊です。
 ただ、易しいイラストの割にはやっていることが少し高度で、小学生中学生には少し早いかなと思います。
 数学を好きになりたい、興味がある全ての人にお勧めします。

博士も愛する数式

最近映画化された「博士の愛した数式」のように数学を主題としている作品ですが、
こちらは児童文学という事も有り子供向けのストーリーで味付けされており、
分かり易く、そして何より楽しくという所に注力してくれています。式と答えの導き出す数の面白さを教えてくれる例題、
11 × 11 =121
111 × 111 =12321
1111 × 1111 =1234321
解が前から読んでも後ろから読んでも同じ〜、や、

1+1+1+・・・・という無限という概念の説明に関して言うと、
大体の方は無限について「最も大きい数」という捉え方をされていると思うのですが、
ここでは小さい数の中に見る無限、有限の中からの無限として
一枚のガムを対象人数で分けるとすると1分の1+1+1+・・・と物理的には無理でも紙上では永遠に分ける事が出来る、
というようにガム1枚という限られた数字の中から無限を見出すという例題を示したりと、非常に興味深く展開して行きます。
数に興味が無くてもいつの間にか、すっかり数の魅力に引き込まれている自分に気付かされる事請け合いの一冊。

本の状態

外装は少し年期が入っているようには見えますが、中はとてもきれいな状態で想像以上でした。ありがとうございます。私は大学4回生で、算数教育の研究をしています。活用させていきますのでありがとうございました。

詳細はこちら


確率的発想法~数学を日常に活かす 小島 寛之(著) 966円


ジョン・ロールズへのオマージュ

 なんと刺激に満ちた面白い本でしょうか。確率論の本質を私たちの日常の現象と絡めて説明しているので、とてもイメージが掴み易い。7章以降はジョン・ロールズへのオマージュとして読みました。ロールズの思想を大変うまく説明しています。また、それに対するロバート・ノージックの思想にも言及しており、リバタリアニズムに関心のある人にも面白く読めます。さらに、株の期待値戦略や株価暴落のメカニズムにも触れており、相場関係者にも刺激的な本です。
 私たちの生き方そのものを問い掛ける本でもあり、このような廉価で面白い本はそうないと思います。確率論、正義論、リバタリアニズム、相場論、環境問題に関心のある人にはぜひお勧めします。

確率論と社会問題

確率論の中でもベイズ理論や期待効用理論がメインテーマ。
期待効用理論は大学で習ったことがあるけれど、わけのわからない数学記号ばっかりで非常にとっつきにくかった記憶がある。だけどこの本では、いろいろと具体例で解説してくれるところがよい。大学の時は「効用分析の数理と応用」(コロナ社)を使ってたが、数ページで撃沈したので、これを機に再チャレンジしようかと思った。またナイト流不確実性やコモンナレッジなどの解説もありなかなか新鮮な感じがする。

さらに、いろんな社会問題に確率論(経済理論)を適用し考察しており、原発問題や株価暴落のメカニズムなど、深い洞察を示してくれていると思う。

さあ、どう使うか

私には確率論の難しい話はさっぱりわかりません。
でもこの本で言っているのは、世の中の事象の多くは確率論的に起きている、ということ。
それならば、発想も確率的に考えて、対処すればよい。
簡単なようでいて、実は大きなパラダイムシフトを含む課題ですね。
でも超えることができれば実に面白い世界が広がると思います。
珍しく、新聞の書評欄で興味をひかれて購入した一冊。お勧めです。

ロールズ的社会理論への新しいアプローチ

平凡な題名が惜しまれる知的刺激に満ちた本。確率や不確実性をめぐる最新のトピックが手際よく紹介されるが(もっとも、語り口の平明さにもかかわらず、本質的な点を把握するのは結構難解)、その最終目的はロールズ流の社会原理を確率論の観点から裏付けることにある。ロールズの社会理論を構成する「無知のヴェール」や「マクシミン原理(最も不遇な人が最も有利になるよう分配を行う)」は、これまで様々な批判に曝されてきたが、それを本書では最新の確率理論の観点から擁護しようとしている。「過去への責任」から分配の在り方を論じる終章は、今後論議を呼ぶだろう。ですます調と、各章冒頭に引用される歌詞の選択が、玉に瑕。

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